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新米 


[読み]しんまい [傍題] 今年米、早稲の飯



新しい米のこと。
食べるということが命であるならば、米は日本人にとっての命である。
新米とはすなわち、また一年生き永らえる、ということだ。
よって有り難い。
今年獲れた米をはじめて炊いて釜を開ける、その刹那湯気の中から立ち上がるふ
っくらとした白。
この白に安堵し微笑み合いながら、私たちはまた新しい生活を始めるのだ。


ひねると怪我をしそうな正直な季語。食欲を損なわないよう正攻法で攻めたい。


[文:上田道草]


【作例:新米を噛めば昔のことばかり  道草】



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[ 2008/10/29 11:08 ] 秋の季語 | トラックバック(-) | CM(1)

色なき風 


[読み]いろなきかぜ [傍題] 



風に色などない。されど、色なき風とされたとき、物寂しくなるのは不思議なも
んだ。しかも、どうやらここに、秋をイメージしてしまう。冬にしては弱い。
中国の秋は白色(無色)を配するそうで、その印象がこの言葉になったそうだ。


昔の例句を見ると強めの色と織り交ぜて使っていたようだ。それによって視覚的
に風を浮き立たせているように思う。
今回の作句からいえば、あくまで個人的に吹く風。街中や商店街にある人々がふ
と気づく秋風。あまり、自己主張しないとこに勝手に好感を感じてみた。


人柄ならぬ風柄を考えた奴は偉いもんだ。こういうイメージの積み重ねが新しい
季語を生むのかもしれない。


[文:常盤]


【作例:露店の娘色なき風にもたれおり  常盤】




[ 2008/10/17 00:21 ] 秋の季語 | トラックバック(-) | CM(1)

十薬 


[読み]じゅうやく [傍題] どくだみ、



「十薬」と「どくだみ」同じものなのだろうか。
良薬口に苦し、というが、なにも一つの植物の名前で
それを体現しなくても良いとおもうのだが。

あの臭いを嗅ぐと、どくだみというほうがぴたりとくる。
どく、毒、doc。
音の感じで臭いがあらわれてくるようで、うまいものだね。

しかし、ことばに個性がありすぎるため、
俳句にするのは難しいようです。
ここは正面から個性でぶつかってみましょう。


[文:虹鱒]


【作例:十薬や猫の額を覆いけり 呼雲】
【作例:道逸ればドクダミ広場あらわれり まね】



[ 2008/10/10 22:05 ] 夏の季語 | トラックバック(-) | CM(1)

秋時雨 


[読み]あきしぐれ [傍題] 秋の時雨



辞書を引くと「an early-winter shower」となる。つまり、冬の入口に降る一時的な雨、時雨のことだ。
ちょいと気の早い晩秋の時雨が「秋時雨」なんだそうだ。
草木は枯れ落ち、生き物は寒を避けて身を隠す。容赦なく降り注ぐ冷たい雨。
あぁ、わびしい。ってか寒そう。風邪ひきそう。

でもそんな人間様の情緒なぞ露知らず、もりもり生きてる輩もいるもんで、私の大嫌いな蜘蛛なんかムシャムシャご馳走を頬張っていたりする。
んでこちらも「腹減ったな」とか思ったりする。秋刀魚の季節ももう終わってしまうな、なんて昨今の春秋の短さを考えたりする。
蜘蛛は食事を終えている。お前さんは早飯ですな・・・と、時雨が落ちてくる。

・・・やっぱりわびしい。風邪ひきそう。
晩秋は、秋が冬に殺されようとしている季節だ。
春が来るのを知っていても、「秋時雨」にわびしさや不安がつきまとう。


[文:呼雲]


【作例:逆さ蜘蛛秋の時雨に嗽せり 呼雲】




[ 2008/10/05 12:56 ] 秋の季語 | トラックバック(-) | CM(1)
プロフィール

おにかます

Author:おにかます
我々、蒙昧の会と申します。初心者が初心者同士で集って毎月句会をやっております。俳句は敷居が高い部分もあると思うので、この歳時記のように親しみやすいものなのだと伝えられれば幸いです。

傍題などは市販の歳時記を参考にしていますが、あくまで蒙昧の会の主観が存分に含まれております。わたしどもが季語だと思ったらそれは季語だというスタンスです。かっちりしたものではないので、ご了承下さい。

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項目説明
季節
季語は各々タイムリーな時期がある。それをざっくり目安として表示しております。

↑こんなやつ。
ちなみに春は二月四日から。夏は五月五日あたりから。秋は八月七日から。冬は十一月七日あたりから。

傍題
たいてい季語は幾つか別の名前も持っている。それを傍題としている。傍題が多すぎて載せられない羨ましい季語もある。

作例
蒙昧の会という俳句の会で詠んだ句を作例として掲載しております。あくまで例ですよ。


難易度
その季語で俳句を作りやすいかどうかのざっくりした度合い。
ここがDだと、相当簡単ってことになる。

季節感
その季語がどれだけ季節感を持っているかの度合い。季節を感じづらい昨今、大事にしていきたい感覚ですな。

知名度
俳句界で有名かどうかじゃなくて、一般的に知られているかという度合い。

月並み度
俳句にありがちな季語かどうかという度合い。

語感
耳心地の良ささ、聞き応えあるかの度合い。

見た目
季語の指す実物ではなく、文字・漢字の視覚的なインパクト及び風情の度合い。
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